+*星哉side*+
「じゃあ、行こう」
くすぐったくてこっ恥ずかしい。
初めての最後の登校だ。
変な感じだった。
それぞれ、バレー部の仲間と
バトミントン部の女子と。
本当のところ、
それが何かの区切りなのかもしれないと思っていた。
正直、一人で教室に入るのが怖かった。
病名とか、余命とか、学校来れなくなることとか
クラスメイトの前で、一人で言わなきゃいけない。
みんながみんな、向日葵みたいに
言うまで待ってくれる人達じゃない。
何を思ってこんなやり取りをしたのか、
知らないけれど、分かることもある。
いつものお前の気遣いだろ。
分かってるよ。
ありがとう。
彼女の手を借りて立ち上がって床に足をつけた。
重力が嫌がったのだろうか。
俺の体はふわふわしていた。
「ねぇ、向日葵」