美味しいとも不味いとも言えない朝御飯を
きっちり残さず食べた。
いつもなら、もっと食べれると
不満を抱いたかもしれないけど、
案外、お腹はいっぱいになった。
これから、死ぬまでは友達だな。
上手くやっていこうぜ、と朝御飯に呟く。
こんな所に来て始めて、
自分の家っていいなと思った。
プライバシーがちゃんと守られる。
今まで一人で味気なかったけど
そういうのって、そうじゃなくなって初めて
幸せと分かるらしい。
俺は、夜考えていたことを思い出した。
向日葵を、どうするべきか。
自分から別れたくないと懇願してたくせに、
向日葵の幸せと俺の幸せを
何回も天秤にかけた。
この病気になった以上、
俺が向日葵を縛ることは出来ない。
俺がいくら好きでいたって、
あいつがいる未来に俺はいない。
ちょっと疼く右の腕。
左利きだから、良いけどもし
左の腕や足が動かなくなれば生活に支障が出る。
どうなんだろう。
どんどん何も出来なくなっていく俺が、
未来のあるあいつを縛っていいんだろうか。
そんなことを考えたら、キリがないけれど。
俺は……どうしたらいいんだろう?