チャラン。
受信音が鳴って、びっくりする。
そう言えば、音がなるようにしたままだった。
慌てて音をオフにして見れば、
俺の口元はかなり緩んでいた。
当たり前じゃん。だって私、彼女だもん。
嬉しいこと言ってくれるじゃん。
こんな彼女をせっかく捕まえたというのに、
神様は余程KYなのだろう。
彼女はこの先もずっと生きていく。
俺の先にはない所を進んでいく。
そこには、たくさんの出逢いがあって、きっと。
俺くらいしか見えていなかった君の夜空は、
たくさんの星でいっぱいになることだろう。
そうしたら、俺なんぞ消えてしまうだろう。
たくさんの星の中に乙姫と彦星が紛れて
離ればなれになったように、
彼女の世界は明るみに眩むほどの星が輝く。
そして絶対、俺より輝く星に出会う。
君の夜空が俺だけであってほしいと願う。
でも、彼女にはたくさんのことを知ってほしい。
俺よりも、いい奴はたくさんいること。
その中で誰かを選ぶということ。
本当に、好きと思える人に出会うこと。
なにかを選ぶことは何かを捨てることだと。
もう既に、かなりのいいやつを
自動的に向日葵は捨てている。
俺を選んだがために。