+*向日葵side*+



「一緒に行く、か……」





武田君の気遣いの言葉を断って
暗い道を縫うように歩きながら呟く。






いつもはバトミントン部の友達と
行ってるし、別々だったから考えたこともなかった。






どうやって誘おう……
断るのはグループのチャットで謝ればいい。





問題は、星哉だ。
電話?




無理無理。
絶対、声が裏返る。



メール……しかない。
でも私はメールが苦手だ。







文章という形があると、見返せてしまう。
振り返る感覚でいつでも見れてしまう。




消したりさえしなければ、
ずっと、形が残ってしまう。








星哉に送ったものなんて
恥ずかしすぎて全部消去したいくらい。





その黒歴史をまた増やすとなると
かなりの決心がいる。
しかも、私の方から誘うなんて。






でも。







「明日で学校、終わりか……」








バレー。





友達、仲間。







勉強。








学校という部類の中に含むものに
明日、星哉は別れを告げるんだ。










彼は、どんな気持ちなんだろうか?








歩きながら、スマホを操作してメール画面を開いた。











明日、一緒に行こう。








恥ずかしい。







とっても、恥ずかしい。