+*優翔side*+
何回バスが通りすぎただろうか。
病院のある方角を見ては
バスが通りすぎる度、溜め息が零れた。
あいつは、何してるんだ。
萩本さんが、帰るのにはもう結構暗いというのに。
自分の彼女が、他の男に
どれだけ魅力的に映るかも分かんないのか。
バスが一本一本過ぎる度、
沸々と怒りがわいてくる。
どこにもいきようのない、怒り。
「欲しいな、ほんと」
萩本さんも。
星哉の、体も。
その、肩書きさえも。
またバスが到着する。
ため息より前に、
今度はあの姿がステップから降り立った。
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