「園長先生!」
懐かしい幼稚園の前でたっぷり二三分うろうろして
そっと中に入ったら園長先生がいた。
随分、風貌が変わってる。
時間がそれだけ流れたということなんだけど。
「栄夏ちゃん」
この園長先生は園児全員の名前を覚えてる人だったな。
「タイムカプセル?」
「はい」
「そうそう、後は栄夏ちゃんともう一人だけなんだけどね」
「はい、そうです」
……もう一人ということは
やっぱり、忘れられてるようだ。
「ほれ、どうぞ」
渡された二つのカプセル。
「ありがとうございます」
二つとも、もらえて良かった。
「これ、結構大きいな……」
優翔の方の包みを慎重にその場で開けた。
……何が入ってるんだろう。