どこかにアイツは自分の存在した証拠を
残してると思う。
長年過ごしてきた腐れ縁の勘だ。
だから、私がーー
残り香を、探したい。
そう願うのに、写真も持ち物も
勿論母親の記憶からも
優翔は脱出していた。
思いでの場所を一つ一つ回っても、
何も、出てはこなかった。
私の回りからもそれら全ては消えていた。
写真もいつのまにか現像した物も
スマホの中のも一切合切なくなってた。
ねぇ、最悪なこと言います。
私は別に、吉岡が助からなくても良かった。
友達だし、そりゃ胸は痛むよ。
それでも、優翔には変えがたいの。
向日葵は良かったかもしれない、
それでも私は全然ダメなんだよ。
私がいてほしいと願うのは……
優翔、一人なんだよ。