「最後の最後まで俺を妬かせて困る弟だ」
いきなりした声は、私の胸に大きな音を立てさせた。
「まあ、キスしなかったから許すけど」
後ろを振り替えれば星哉が呆れたような
むくれたようなそんな顔をしている。
「見てたの?」
「追っかけてきたからな、どうりで本当のことを知った」
「私、武田君が死を背負って色んな人からの記憶からも消えること、引っ掛かってたけどわかって良かった」
「アイツ、生きてなくて良かったわ」
「え? 何いってんの、ひどい」
「生きてたら……確実に俺のライバルだった」
「え?」
これだから鈍感は。
そう呟かれてその胸の中に抱かれる。
「最初から始めよう、俺と向日葵の二人で」
「うん」
「好きです、もう一回付き合ってください」
「……はいっ!」