「向日葵、ただいま」
振り向けばいきなり軽々と
抱き上げられた。
私の体に重さなんかないような、
そんな風に星哉は私を持ち上げてそれから
くるくると回った。
「うわっ」
「今まで、寝たきりで何もしてやれなかったから」
「何で」
だってだって。
ねぇ、こんなことってあるの?
「俺が、お前を一人にすると思う?」
夢じゃないの?
幻じゃないの?
そんなわけ、あるはずないって思ってたのに。
相手が誰かを確信してるし。
こんな夢のような奇跡を、どれだけ夢見たか。
「……話さなきゃ、いけないことがあるんだ」
「うん……」
ねぇ……私はまだ知らなかったんだ。
この後、自分が知る運命を。