「そう、思ってくれてたんだ?」 え…… ……時間が止まった。 空気を作っている糸が少しずつ乱れてく。 ゆっくりと後ろから回された腕。 耳元で囁かれる聞く人を惚れさせる アルトの気持ちいい声。 私の首もとをくすぐるさらさらの髪。 「いや、帰ってきた甲斐があったね」 ……嘘でしょ? な、なんで……!