「どうして……」






医者のしたことが、分からなかった。






どうして、そんなことしたの?








医者って最期に立ち会わせるのだって









協力的なんじゃないの?










ものすごい力で引っ張られた時に








私は抵抗出来なかった……すれば良かった。









そうしたら、もっと伝えたいことを









伝えられたかもしれないのに。












これって、裁判の対象になるよね?










……いや、そんなことしてお金もらったりしたって










過去は取り戻せないから意味がない。











なんなの、私たちって運悪くない?









神様は意地悪を通り越して誹謗中傷?









ちゃんと向き合ってこなかったって言う戒め?










よくそこは分からないけど、神様は












私たちにとって死神も当然だ。











手元のスマホをまたふとスクロールする。









まだ、続きがあったからだ。








“待っててほしい。必ず行くから”








行くってどう来るの?








幽霊になってくるとか?








怖くはないけど、別れがまたつらいだろうな。









……それ以外に方法が見つからない。









「あーあ」







声に出して言うと、いっそう空しくなる。









「星哉ともっと話せば良かったなあ、ありがとうとか好きとかもっと言えば良かった、」









そうすれば、もっと。







「もっと触れれば良かった、もっとたくさんいれば良かった、もっと信じれば良かった」









死んじゃってから今なお溢れる後悔の念は
  









どうしようもないのに、ビックリするくらい出てくる。











「もう一回、会いたい……」









届くわけないのに、この言葉が









届いてほしいと、そう願う。










ねぇ、帰ってきてよ……










叶うはずのない願いを零す。










だって、戻ってこないじゃん。








私がいない間に行っちゃったじゃん。