誰もいないことをいいことに、
私は泣きわめいた。
涙は次から次へと溢れてくる。
抑えても抑えても、溢れてくる。
「学校に、行かなきゃ」
抜けてきたんだし、戻らなきゃ。
そうすれば、星哉のいない日常がある。
そこにいれば、例え嘘ものであっても
笑っていられる。
それくらいしか、現実から逃げる方法が
ないっていうのに、足は反して動かない。
力が入らない。
あれ、私どうやってここまで来たんだろう?
ねぇ、星哉は覚えてる?
私は、こうなることを半分知ってたの。
辛くなっちゃうことを、
決して星哉がいなかった日常に
簡単には戻れないこと。
やり方はおかしいかもしれないけど
少しずつ距離をおけば、お互いに楽だからって
本当に事の発端の時に私は言ったのに。
……そんなことしてたって、もっともっと
胸が痛かったと思うけど。