それが聞こえた合図かのように、星哉は
目をそっと閉じた。
急いでかけよって、閉じた瞼にキスを落とす。
こんなにも、好意を示してこなかったこと、
今では後悔してる。
今更ということだって、分かってる。
それでも、
「好きだよ」
栄夏の言葉を思い出して、この言葉を呟いた。
痛みに耐えられないのだろう、
星哉は体をベッドにうちつけてる。
彼の手はシーツをつかもうともがいてるように
私には見えた。
医者が体を押さえてくれたから
私は両手を握った。
「大丈夫だよ」
涙声になってしまって、笑顔で送り出したかったと
後悔する。