波多野くんが言うほどに、
星哉はそんなに、私に依存していないと思うけれど。
「少し信じられないけど、最期くらい私でも許してくれるかな」
私のスマホが鳴った。
開けば星哉。
もう、今は集中治療室のはず。
時間予約か……!
“さいごだか”
途中で終わっている、そこで切れた言葉。
最期だから、来て。
そんな文だと信じて。
バスから降りて、病院に駆け込む。
「吉岡さんの彼女さん!」
緊迫した看護師さんの表情。
その後について、廊下を全速力で走り、
エレベーターを待たずに、階段をかけ上った。
ガラス戸で締め切られた、
その奥に、苦しげな星哉が見える。
今、行くから。