+*星哉side*+
う……痛い。
色んな所が痛い。
でも、体は動かない。
体の芯のそのまた芯が固まってる気がする。
「星哉……起きた?」
望んでた、声。
起きた時にどちらの声がするか。
もう、向日葵は来ないと思ってた。
終わったようなものだったから。
「星哉……次はないんだよ……」
自分の体のことは、きっと医者より
自分が分かる。
「うん」
言ったつもりの言葉は届かなかった。
「ねぇ、だからお願い本当のことはっきり言って」
泣き声を聞いて、ゆっくり顔をあげれば
ポタポタと涙を落とす向日葵。
……こんなに苦しめて、
こんなに辛い思いをさせた。
それでも、自分を支えてくれる。
「向日葵」
「なあ、に?」
掠れた声に、たくさんのごめんなさいと好きを乗せて。
「俺は、お前だけ」
通じてほしい。
ほら、その目から流れた涙。
顔を近づけてくれた向日葵の涙を
そっと俺はぬぐった。