「向日葵」
刺々しく吐き出された私の名前。
顔を上げれば、美結がいた。
「何やってんの」
「星哉のこと、待ってる」
……言い合いになる、きっと。
絶対に、負けない。
だって、まだ一応ここにいてもいいはずだから。
メールが、届いたんだから。
「へえ、そう」
荒々しく隣に美結が座ったところで
医者が出てきた。
「少し説明を……」
隣で動く気配を押し止めて私は勢いよく立った。
「私が、行きます」
「関係は?」
はっきり、答える。
ちゃんと、答えるんだ。
「彼女、です」
さっき終わったはずの関係を、
保留に、しよう。