「優翔は? 向日葵と上手く行ってる?」
バカか、お前は。
そう言って頬に手を下ろしたかった……けど。
これで、いいのかもしれない。
結局、吉岡は死んでしまう。
今の向日葵が吉岡が死んで悲しまない訳じゃないけど
薄れてるんじゃないかな。
それで優翔との幸せな道っていうのもあるでしょ?
……なら、それが一番いい方法なのかもしれない。
数々の真実に嘘を縫い止めて
私はその嘘をかざした。
「上手く、やってる」
「なら、いいや」
惨めな自分よりとか考えてるんだろう。
そんなの関係なしに向日葵は吉岡の事が好き。
その事実は、伝えなくていい。
心の中で誰かが
それでいいの、本当にいいの?
と私に聞いていた。