「入るよ」
返事を待たずに私は吉岡の病室に入った。
ずっと会ってないから、少しは覚悟してたけど。
痩せ細って、声も出なくて
体が本当に動かなくなりかけてる
吉岡を見たとき、ああやっぱりそうかと思った。
吉岡は、結局支えてくれる向日葵がいなかったら
何も出来ない。
「ごめん……」
出てるのか出てないのか分からないほどの声で
吉岡は謝った。
その理由なんて、聞かなくてもわかる。
「どいつもこいつも、バカばっかり」
「長谷川のことも止められなかった」
「……しょうがないよ、なったことない状態なんてなってみなきゃ分からない」
「あいつは、元気?」
自分の容態を置いといて聞くほど
それほど大事なら。
「いいの、あんたは……」
最初から、守り抜いてよ。