「お化け屋敷行こう」 一通り食べ終わった栄夏は突然変なことを言い出した。 「……栄夏、お化け屋敷無理じゃん」 栄夏は怖いものが苦手で、絶対にお化け屋敷に入らなかった。 なのに、いきなり…… 「ほら、気分転換にいいでしょ」 そう言いながら、もう手が震えてる。 きっと、私への気遣いだろう。 ……ここはありがたく行くか。 お化け屋敷、好きだし。 「いいよ」 やっている教室を目指して歩きながら 長蛇の列を見つける。