「じゃあ、回ろっか!」
私と栄夏は、シフトを終えて制服に着替えている。
廊下は人が溢れていて、結構な人の量。
「どこ行こっか?」
取り敢えず、同じフロアを眺めながら歩いてみる。
「何か食べたい、お腹すいた」
「もう一時だもんね」
文化祭は四時までだから、後は思う存分遊ぶだけ。
栄夏と店の前で写真を撮って、模擬店に入る。
入ったクラスでは、カフェをやってるみたいだ。
「焼きそばとあと、たこ焼!」
言ってからすぐ出てくる料理に、隣で栄夏が感動している間、
私はまたそれらを写真に納めていた。
「さっきも、写真撮ってたよね? なんで?」
さすが鋭い。
多分、理由はバレている気がする。
「まあ、夢だよ。また会えて喋れたら見せたいっていう」
「……そっか」
誰の事か言わなくていいのは助かる。
名前を聞くだけで愛しく、苦しく
思えてしまうから。