「ごめんね……さっき私の友達のせいで」
きゃっきゃ、と騒ぎながら
部屋を出ていった友達の方を見て
頭を下げる栄夏に文句を言う人はいなかった。
「お前は悪くねぇよ」
波多野君の言葉に私やその回りは頷いて作業を再開。
「なぁ、栄夏」
「な、何?」
「あいつらに、学校教えたわけ?」
「……教えてない。嗅ぎ付けられたみたい」
「もうあいつらにお前が振り回されるのを見るのは嫌なんだよ」
「私も嫌だよ……」
そっか、武田君と栄夏は、幼馴染みなわけだから
小学校時代も中学校時代も知ってるのか。
「コーラ一つ、お茶二つ」
「はーい」
入ったオーダーに、返事を返す。
「あ、萩本さんこれ」
お店は結構、繁盛してるみたいだ。
次から次へと人が入ってくる。