+*向日葵side*+
今日は、文化祭。
十一月の中旬らしく、寒い。
それでも、賑わう文化祭に
私の心も浮き足立つ。
校門で、教室で廊下で。
写真を撮りまくる私に栄夏が呆れ顔。
久しぶりに、楽しいことがありそうな
そんな予感がした。
「写真、撮りすぎだろ」
「波多野君には関係ないし」
「……そうか」
「メイド、似合ってる」
「ありがとう」
今度は武田君。
今回の華ということもあって、
服装が豪華。
それをも着こなす、イケメンは強い。
「武田君も似合ってるよ」
「……嬉しい」
この表情をさせてしまうと、すごく申し訳なくなる。
どうしても、私は武田君を好きになることも
優翔と呼ぶことも出来ない。
申し訳ないけど、私は何やっても
武田君を好きになれそうもない。