「はー疲れた」
ころころと目を動かして栄夏が言う横で
私は、そっと後ろを振り返った。
……さっきから、誰かいる。
つけてきてる……?
ぞわっと背筋が冷える気がした。
「……栄夏」
「どうした?」
「今日、私はこっちから帰るね」
ここは二手に別れた方がいい。
私がここにいればその相手は
栄夏を追いかけられない。
私なら、大丈夫……。
怖いけど。
そんな中で、思い出す顔はやっぱり決まってて。
「星哉……」
大丈夫だと思って歩き出せばやっぱりついてくる。
……ここら辺に警察はないよね……
本当、どうしよう。
だんだん近づいてきてるし……