星哉side
「何してくれてるんだよ!」
「私は、本気なの」
「本気とおふざけの違いをお前は分かっていない」
目の前にいるのは、向日葵じゃない。
長谷川、だ。
なんで、あの時に長瀬の注意が
聞けなかったんだよ、俺……。
「分かってるよ」
「分かってねぇよ!」
つい声が荒ぶってしまう。
「親友から奪ってでも欲しいくらい好きなの、それは、おふざけの内なの?」
顔を見れば泣いて訴える顔がそこにはあった。
なんでか、涙声にどきりとする。
嘘泣きなんだろう。
それなのに、胸がひりつくような痛みを、感じた。