俺のいる部屋には大抵?毎日来客がある。




俺の、客ではなさそうだ。



 

向日葵の規則的な足音ではない。





そもそも、向日葵はヒールを履かない。






ヒールってことからしても、





優翔ということはない。






……でも。






「ここで、あってるみたい」





小さく聞こえた声は一気に俺の胸を騒がせる。




長瀬の、声が甦る。





“体が動かないあなたに対抗は出来るかな?”








ドアの開く音が不幸を告げる開始のチャイムでしかないことに、俺はまだ気づいてなかった。