だから。 私はゆっくりと教えてもらった病院、病室に向かって 歩を進める。 バカだと思う。 彼女でも好きなわけでもない女子に病院を教えてしまう。 だけど、そのバカなところ含めて好きなんだ。 背伸びして履いたヒールが、心地よい音をたてる。 その反響する音さえも私を後押しする。 ねぇ、私、貴方のとなりに向いてると思うよ? 吉岡君。 吉岡。 ……星哉。