「本当に、私なんかでいいの?」


    



星哉は、この機会を逃したら
他の私より全然いい彼女を得るチャンスはそうそうない。
私に向かって、そう言っちゃったんだから。






途端に、星哉の顔は曇った。





「俺が選んだお前だろ、何も文句はねぇよ」




うう……






そういうこと、私は息をするように簡単に
言われると一人でどぎまぎしてる私が空しい。







「彼女として見合わないの、分かっててそういうこと言ってるの?」






「見合うから彼女なんだろ」






何も言い返せない。
そこまで言ってもらうと取り返しがつかない。







心臓がばくばく言って五月蝿い。





いろいろな側面から見れば不安も出てくる相手ーー






俺様なところもあるし。





スイッチさえ入らなきゃいいけど、入ればこの調子だし。





死ぬのによく楽観的でいられるものだし。








それでも、その全てを合わせて彼が愛しい。





「俺は、向日葵を離したくないよ」






元に戻ったかな。








そう思った瞬間に、手遅れ。






がっちり、逃げられないように
捕まえられてしまった。






と思うほど力はなく。






その腕からは簡単にすり抜けられそうだった。