+*星哉side*+
上がっていく観覧車に、想いを馳せる。
きっと、ここにはもう来れない。
悟られないよう、悟られないよう。
向日葵には隠してきた。
車イスを使ってるけど、まだ軽い症状だというように。
あと、少しの時間だけで俺の体は動かなくなる。
つまり、寝たきり。
普通の進行なら五年生きられる場合も十数年の場合もある。
けれど。
“あなたは、特殊なんです。何と言うか、この年でかかるものでもないのに……しかも、こんなに早い進行は……”
言葉を詰まらせる、医師がすぐ思い起こせる。
“何年前か、いたんですけどね”
“何がですか?”
“結構小さいお子さんで、早く進行しました”
“……そうですか”
心当たりのある、その死に。
少し違和感はあったけれど、ファンタジーでしかあり得ない想像はかきけした。
だから、また向日葵を手放さなきゃいけない。
どうやって?
別れを言い出すのは、もう無理。
だから、死んで突き放すしかない。
その呪いに、女神が微笑まない限り。