「たくさん乗ったな、楽しかった」
あの後は、ジェットコースターにコーヒーカップ。
絶叫系を乗り回してスリル溢れる時間になった。
「向日葵が強いから俺、満喫できるんだよな」
星哉の言葉に私はにこりと笑って頷いた。
絶叫系は、得意分野だ。
星哉も得意だから、乗りたいのが同じで助かる。
「でも星哉は、お化け屋敷ダメなんでしょ?」
「うん、ほんと無理。ここなくて良かった」
「あったら私に連れ込まれてたもんね」
そうだな、と笑う星哉は、世界の何より綺麗に見える。
私の目がそろそろおかしいのかもしれない。
そのままで、良いんだけどね。
「じゃあ、観覧車行くか」
そう言った星哉の横で、私は空を見上げた。
まだ、少し暗くなってきたばかり。
輝いているのは、一番星くらい。
でも、私もこのくらいがいい。
いくつ星が輝いていたって、私の目には一際輝く星が決まってる。
一番星、のみだ。
だから、ほんとに何でも気が合うね、とそう笑いかけた。
「ほんとだな」
その笑顔が、何よりも輝いているっていうのは、
本人に内緒だ。