+*向日葵side*+
美結‥向日葵、今日暇?
寝癖に、鏡の前で対抗中の私にメールの着信音が鳴った。
「あー、もう」
朝から、お前鬱陶しいんだよ。
自分の寝相と布団と髪にイラつきながらメールを確認。
……今日だけは、無理だ。
向日葵‥ごめん、今日は用事がある!
美結‥大丈夫よ、了解!
またスマホを置いて鏡に向き合えば。
「向日葵、さっさとしなさい!」
お母さんの怒号。
「今行くから!」
急いでサイドを編み込みにして、リボンをつける。
……お洒落し過ぎとか言われるかな。
誕生日にも、じろじろ見られたんだよな。
まあ、星哉はそういう奴か。
「行ってくるね!」
「いってらっしゃい」
洗面所が使いたくて騒いでいたお母さんは、使えるようになって大満足のようだ。
病院に向かう足取りも軽くなった気がした。