「まず、フードコート……」
右隣の栄夏は、既に力尽きている。
「どこに行こうか? 何が食べたい?」
美結はまだ大丈夫みたいだ。
「四時間授業なら、ご飯食べさせてくれればいいものを」
「確かにそれは栄夏のいう通りかも」
私もそんなこといいながら、一階、目の前に広がる見慣れたフードコートを見渡した。
「適当に選んで食べよ、栄夏と向日葵は先に買ってきて。私、席取りしとくから」
「ありがとう!」
私はうどん、栄夏はガッツリ系の定食を手に美結の取ってくれた席に。
「いただきまーす」
何とかとれた三つ並ぶ席で、腹ごしらえ。
その後は、美結の見たいブティックをのぞき、
プリクラを撮って、アイスを食べた。
「吉岡に、何か買えば?」
栄夏の提案により、雑貨やさんに入る。
「ニコイチとかは?」
くっつけると形が出来るストラップ。
「いいかもね~」
そういえば、星哉はスマホに何もストラップつけてなかった。
喜ぶといいなあ。
「あ、これめちゃくちゃいいんじゃない?」
美結が持ってきたのは星をモチーフにしたニコイチ。
「うわあ、かわいい」
私の好みがよく分かってるなあ。
私、夜空とか星とかそういう類いが好きなんだ。
「これにしようっと」
「向日葵、好きだね」
栄夏の意味深な笑顔に笑顔を返す。