あ。そういえば。


「先生、もしかして私が起きるの待っててくれたんですか......?」


こんな時間まで1人で?

だとしたらなんだか......



「なわけねぇだろ。書類片付けてたらいつの間にかみんな帰ってたんだよ」



な......!ひ、ひどい。


けどたしかに書類が山積みって言ってたな......。



すると先生はぷっと笑った。


「うそうそ。まあ書類片付けてたのはほんとだけどな。最初は陽子先生にお前のこと頼もうと思ったんだけど、今日はどうしても外せない用事があるらしくて」

「そうだったんですね......」

「ま、他の知らない男の先生よりは俺がいいだろ?」

「ふふ。なんですかそれ」

「違うの?」

「違くないですけど」


先生はまた一口コーヒーを飲んだ。


「......じゃ、帰るか」

「え?」

「家の鍵持ってるだろ?」

「あ、はい」


な......なんだ。

もう帰るのか......。


いっ、いや別になにも期待してないけどね!?


私が起きたんだから帰るのは普通だし??



別になにもっ!考えてないし!!