「おおい!!すっげぇな栗原!マジで!!」


さっきのバスケ部の男子がパン!と柚の背中を叩いた。


「別に俺がすごいのではなく、君のパスが正確だったから決められただけだ」


「っはは、サンキュー!!マジでバスケの才能あるよお前!」


「栗原ーー!ナイッシューー!!」


「やるじゃん転校生!!」


あっという間に溶け込む柚に、無意識に笑みが零れた。

隣でそれを見ていた翠もニコニコしている。


「すっごいじゃん柚!!カッコイ〜〜!!」

「だね」

「晴もカッコイイと思った!?」

「うん。カッコイ......あ」

「ひゅーひゅー!」


唇をとがらせてふざける翠。


「ちょ...!やめてよもう!!」

「なになに〜?晴ってもしかして...」

「違うから!!」


騒ぐ翠の口を押さえ、ハッと柚の方を見るとバチッ!と目が合った。


「?」


どうした?と首をかしげる柚。



するとなぜかその瞬間、女子が皆騒ぎ出した。


「えっ...なになに?なんかこっち見てる?」

「やっぱりイケメンだよね...」

「私、黒髪眼鏡男子って好きなんだよね〜」

「分かる!!」

「背も高いし頭も良さそうだし、運動神経もいいって...」


ざわざわと柚の話題が上がっている。




これはまさに......




......モテている。





と、いうことだろう。