休み時間、柚の周りには人が集まっていた。



「栗原くんてさ、前どこに住んでたの〜？」

「てかフツーにかっこいいよね！！かなりレベル高いよ！」

「背高いよな！！バスケやりにいこーぜ！！」

「喋り方変わってるよね！元から？？」

「なぁなぁ、このクラスで誰が一番可愛いと思う！？」

「「「サイテー」」」



ガヤガヤとみんな質問攻めだ。


まあテストが終わったばかりだからこうなるのは普通だろうけど。


みんなの影に隠れて柚の姿が見えない。



「柚の人気やばいね！私がもっと話したかったのに〜」


「あはは...まあ私たちは席近いから、次の休み時間にでも聞こうよ」


「そっかぁ。てかさ、晴」


「ん？」


「聞いていいのか分かんないけど...昨日、なんて言われたの？」


あー...そういえばそうだよね。

翠はなにも知らないんだった。


......まあ、実際私もわけが分からないんだけど......。



「なんかね、私に勉強を教えたいんだってさ」