その後、再びやってきた和泉先生にも教えてもらったりしたが、やはり柚の教え方も上手だった。
本当に頭が良いんだなって実感させられる。
「ふわぁ〜......つっかれた......」
「今日はここまでにして帰るか」
「そうだね〜。あ、柚んちって遠いの?」
「ここからなら歩いて15分てところだな。君のことは家まで送っていくから心配するな」
「あ......ありがとう。ごめんね」
「気にする必要はない。女子なのだから当然のことだ」
ふおお......なんて紳士なんだ。
「帰るのか?」
帰り支度を始める私たちに気づき、和泉先生が声をかけてきた。
「はい。本日はありがとうございました」
「そんなかしこまらなくていいよ。また来てね」
「ありがとうございます」
笑顔を浮かべる先生だが、やっぱりなぜかそれは自然な笑顔じゃない。
「......じゃあ先生、さよなら...」
なんとなく気まずさを感じながら、私もバイバイ、と手を振った。
ガシッ!
「ひゃっ!?」
いきなり、振っていた腕を掴まれた。
「へ...?な、なに......?」
「今日はあんまり構ってやれなくて悪かったな」