すると栗原くんは観念したかのようにふぅ、と息をついた。



「......分かった。それでは質問に答えよう。ここまで連れて来てくれた礼があるからな」


「う......うん」


「なにが聞きたい?」


「え!?」


えっーと、えっと......あ、あれ?

なにが聞きたかったんだっけ!?

やばい......色々あったのにパッと出てこない!


「あ!そういえば、今日転校してきたはずなのに、なんで昼休みしか来なかったの?」


ああーー!!別にそれほど重要じゃないことを聞いてしまった!!



「皆とは違う教室で1人でテストを受けていた。本当は始業式から転校してくる予定だったのだが色々あって間に合わなくてな。テストの日に皆の集中を乱しては申し訳ないと思った」


「あ......そうなんだ。じゃあ大変だったでしょ?勉強する暇もなくて」


「あのレベルのテストに勉強が必要か?」


「......は?」


おおっと。思わず口が悪くなってしまった。


「じゃあなにか?俺は全部満点ですって言いたいわけ?」


「そうだ」


あはは、なんかムカつくなー。

殴ってもいいのかな?この人。


まあ確かに、学期始めのテストだから実力を確認するレベルの易しいテストだったけど。

さすがに勉強しないで受けたら大変なことになる。


......けどまあ、さっきの自信はそれほどの実力があるなら納得だ。


私が彼に勉強を教えられる訳が無い。


うぐ。なんか悔しい。