私の予想の上というか斜め上というか、とにかく今の言葉の意味が理解できなかった。
「......」
「......」
「......」
「あの......聞こえなかったのだろうか?」
「あ、いや、聞こえたんだけど......ごめん。ちょっと意味分かんない」
本当に。マジで。
訳が分からない。
「えっと......私に勉強を教えたいってこと?」
「そうだ」
「教わりたい、じゃなくて?」
「......こう言ってはなんだが、君は少し自意識過剰だな」
うるせーーー!!
栗原くんは少しも表情を崩さず、言葉を続けた。
「安心してほしい。恐らく俺は君よりは頭が良いと思うから、教えることに関しては不足はないと思う」
あ、そうですか...。
いやいやいや!!!だからそうじゃなくて!!!
「えっと、なんで私なのかな?」
1番気になることを聞いてみた。
転校したばかりで私と彼は初対面のはずなのに。
......てか本当に失礼なやつだな。
すると栗原くんはなぜかふいっと目をそらしてしまった。
「あー......特に理由はない」
「え、いや嘘でしょ?その反応を見るに」
眼鏡をカチャカチャと直す栗原くん。
...手震えてるし、明らかに動揺している。
「......なんとなく、だ」
「嘘だよね」
「......」
「本当は?」