入ってきたのは、知らない男子生徒。



いかにも優等生ってタイプの、きちんとセットされた真っ黒の髪の毛で眼鏡をかけている男の子だ。


生徒会長みたいなお堅い雰囲気がある。



クラスのみんなも注目する中、その人はなぜか私たちの方へずかずか歩いてきた。




そして机にぐでーんとつっぷしていた私の前で止まった。




「...え?」


なに?なに?


...私??


てか誰???





「君が城木晴だな」





切れ長な目でこちらを見下ろす知らない男の子。




え〜なんか名前まで知られてるんだけど...。



ここで違うって言い張ったらどうなるのかな。



...まあ、ちゃんと答えよう。




「そうだけど......」




やっぱりな、と男の子は答えた。




そして私を真っ直ぐな目で見つめ、こう言った。






「話がある。放課後教室で待っていてくれ」




「・・・・・・はい?」





「じゃあ、またあとで」





そう言い残すと教室から出ていってしまった。



「...晴、知り合い?」




翠にそう聞かれたが、全く知らない。




残された私の頭の中はハテナマークでいっぱいだった。