そして次の日。
晴が初めて授業を受ける日だ。
今日で通うかどうか決まるから、授業もいつも以上に気合が入る。
一通り解説をし、各自問題を解く時間にした。
晴のところへ行くと、俺が目の前に立っているのにも気付かないのかなにやらブツブツ言っていた。
小声で話しかけた。
「おい。なにブツブツ言ってんだ?」
「っ!!?」
晴はビクッと驚きその衝撃でシャーペンを落とした。
・・・・・・驚きすぎだろう。オバケじゃないぞ俺は。
分からないところがあって考えてたのか?だとしたら悪いことをした。
シャーペンを拾い机に置きながらまた小声で言った。
「どした?分からんとこでもあったか」
するとなぜか顔を赤くして固まる晴。
・・・・・・なんだ?俺がイケメンすぎて緊張してんのか??と冗談を飛ばそうかと思ったがやめた。
まあ、塾自体初めてだって言ってたし、そりゃ緊張するよな。
まだ固まっている晴に声をかける。
「どこ解くか分かる?この一番上の問題だぞ」
するとはっと呪いが解けたかのように晴は言った。
「いっいいです!分かりますす!」
「ぷっ。すすってなんだよ。噛んでるし」
すると晴は
「・・・・・・ぐっ・・・・・・もういいんで!平気です!」
と恥ずかしそうにまた顔を赤らめそう言った。
・・・・・・不覚にも少し可愛いと思った。