目の前にドカッと座り、向かい合うような形になる。
「じゃ、面談はじめよっか」
たぶん陽子先生に言われたんだな。まあ俺がやっても問題ないだろう。
「んーとじゃあ初めまして〜。櫻田和泉と申します。これからよろしくね〜。で、週何回来るか決まってる?てか塾って初めて?」
新しい生徒に初めに聞く定型文を述べると、その子はなぜか慌てたように周りをキョロキョロ見渡した。
「えっ、あの・・・・・・?陽子先生と面談するんじゃないんですか・・・・・・?」
むっ。
「なんだよ〜俺じゃ不満なのかよ〜〜〜」
一応俺がここでは一番偉いんだぞ!と心の中で呟いた。
文句を言うと「そういうわけじゃないですけどっ!」とフォローされた。
おお。意外に優しいところもあるじゃないか。
・・・・・・明らかに俺のこと嫌ってそうな雰囲気だけどな。
なんでなんだ・・・?
「まっ、お前がなんと言おうと話は進めるけどな!」
とりあえずなんの教科を受講したいのか聞くと
「うざ・・・・・・・・・・・・先生、一応苦手科目を中心にやりたいと思っているんですけど、その場合って」
うん。おいこら。
「え?いま小さい声でうざって言わなかった?ひどくない??初対面でひどくない??」
話をぶったぎって悪いが、こいつなかなかの毒舌だな。
「・・・・・・・・・・・・っざ」
「あ!また言った!!おっまえ・・・ひどいなー!!」
俺にこんなに真正面から毒を吐くやつは初めてだ。
おかしくなって思わずケラケラ笑うと、そんな俺をまた冷たい目で見てくる。
晴、か・・・・・・。
気に入ったわ。
本当に面白いやつだ。