えーと・・・・・・まずは誰に声をかけたらいいんだろう・・・・・・。
みんな忙しそうで、非常に声をかけづらい。
「あっ、こんばんは〜!入塾の子かな?」
ビクッ!!
顔を上げると、黒髪ポニーテールの綺麗な女の人が立っていた。
うおおお・・・・・・!!!が、がんばれ私!!!
「あ、あのっ・・・・・・!来るのは今日が初めてなんですけどっ・・・・・・し、城木・・・・・・です・・・・・・!」
「あ〜!城木 晴(シロキ ハル)さん?待ってたよ〜!」
「っあ、はい・・・・・・!そうです!」
「ごめんね!今ちょうど休み時間入ったばかりだから騒がしいでしょ〜。奥の部屋で今からちょこっと面談するから、座って待っててくれるかな?」
にこにこっとまるで太陽のように笑う人だ。
その光に照らされ、相変わらず緊張しっぱなしだけど自然と私からも笑みがこぼれた。
「はい・・・・・・分かりました」
「じゃあ待っててね〜」
陽子先生、という声が遠くから聞こえ、「はーい!」とパタパタとスリッパの音を響かせ“陽子先生”はそちらへ小走りで去っていった。
よーこ先生・・・・・・
太陽の陽、かな。
名前と人物がとてもよく似合っている。
指示された奥の部屋に行く。
部屋、というよりはついたてで区切られた4人がけのテーブルがあるだけのスペースだった。