ごきゅ、ごきゅとスポーツドリンクを飲み、ふぅと息をついた。


ようやく落ち着いたみたいだ。


「あれ?そういえば、学校は午前中だけだったのか」


「・・・・・・今さらですか?そうですよ」


やっぱり、会った時点でかなり具合が悪かったんだろう。


頭が働いていなかったみたいだ。



「てゆうか、先生」


「ん?」


「ごめんなさい」


「・・・・・・へ?」


「具合悪かったのに、私がちょっかいだしたり疲れさせるようなことしたから・・・・・・悪化しちゃったんですよね」



先生を見かけても、さっさと帰ればよかった。


そうすれば先生は玄関で倒れることもなかった。


心配だった、という理由のほかにその罪悪感から、看病をしていた。


しょんぼりした顔の私を見て、先生はポンポンと頭をなでた。


「何言ってんの。むしろお礼言いたいぐらいだよ。看病してくれてありがとな」


「でも・・・・・・」


「いいから。俺は大丈夫」


むにぃと頬を引っ張られる。




「体調悪い時に一人って、けっこう心細いのよ。晴がいてくれてよかった」




そんな真っ直ぐな瞳でお礼を言われることなんてないから、急に恥ずかしくなって顔がほてった。


「わ・・・・・・分かりました。早く治ってくださいよ!こっちが調子狂うんで」


「はは、分かった分かった」