「誕生日でしょ!!もうすぐ!!」
「きゃあっ!?」
突然翠の大声が聞こえ、現実に戻った。
「あ・・・あー、そうだそうだ。そういえば」
五月三十日で私は十六歳になる。
翠は毎年お祝いしてくれるのだ。
もちろん私も翠の誕生日はお祝いしている。
「ね?だからなにか欲しい物あるなら買ってあげるよん!」
「えへへ・・・ありがとう。じゃあ、駅前で新発売になってるザッハトルテ・・・・・・」
「食べ物はナシ!!」
「ええっ!?」
ガーーーン
「毎年毎年やれスイーツだのやれオムライスだの・・・もう高校生なんだから食べ物以外にしなさい!!」
「え〜〜」
「君は毎年食べ物をもらっているのか・・・・・・」
話を聞いていた柚が引き気味に私を見る。
「引かないでよ。いいじゃん別に〜!好きなんだから!!」
「とにかく今年からはだめ!私だってなにか女子っぽいものあげたいんだから」
「はーい・・・」
と言われても・・・女子っぽいものか・・・・・・。
うーーーん・・・・・・全然思いつかない。
私が考え込んでいると、翠がところでさ、と話を切り出した。
「なんで灰になってたの?」
ギクーーーー!!!