「なにしてんだ」
「ひゃっ!?」
話しかけると俺の好きな声がした。
晴が驚いた顔で俺を見つめていた。
「びっくりしたぁ......なんだ先生かぁ」
びっくりしたのはこっちだっつの。
「なんだってなんだよ」
「泥棒かと思いました」
...ひどいこうを言うな。
けど会いたいと思っていた時に現れてくれたこいつのことが、とても愛しくなった。
緊張が緩んだのか少し眠そうな顔をした晴。
くす、と笑い手招きをした。
「こっち来て見てみろよ。今夜は満月だぞ」
晴とまだ離れたくなかった。
口実に使ってしまったが、満月は懐が深い。
変わらない優しい光で満月は俺たちを照らしていた。
〜 和泉side end 〜