「おっはよー!!」
「あっ!おはよ〜翠!」
朝一番に抱きついてきたのは、幼なじみの佐伯翠(サエキ ミドリ)だった。
「は〜る〜〜!!まじひっさびさ!3日ぶりくらいじゃない!?」
「あはは、ひさびさってほどでもないよ〜」
私たちはしょっちゅうお互いの家を行き来して遊ぶくらい仲良しだ。
「てかクラスまた一緒だね!やばくない!?11年連続とか運命すぎない!?」
「ね!!翠と一緒でほんっとよかった〜」
翠は私とは違うタイプの女の子。
茶髪でウェーブのかかったポニーテールが可愛くて、顔も目がぱっちりしてるしまつ毛も長い。しかも明るくて運動神経抜群。その上実家は不動産らしく、超お金もち。
私は肩より少し長いくらいの黒髪だから、ちょっぴり翠の髪型が羨ましかったりする。
そんな翠とはたまたま親同士が親友で、生まれた時からずっと一緒だ。
「けどさぁ、新学期からいきなりテストじゃん!?まじだるいんだけど」
「最初だから簡単っしょ〜」
「いやいやいや!!私と晴じゃ天と地ほどの差があるからっ!!晴の簡単は簡単だったことない!!あ〜〜今回は赤点以外もとれるといいんだけどなぁ」
「また私が教えるから大丈夫!」
そんないつもと変わらない話をしながら、教室へ向かった。