すると先生はこちらに向かって歩いてきた。
「っ...やばい!行くよ大河!」
「へ?なになに??」
大河の手を取り走り出した。
幸い先生はまだこちらに気付いていない。
少し離れた柱の影に隠れ、先生をやり過ごした。
「ふぅ...」
「...晴ちゃーん?どういうこと?俺まだ状況が掴めないんだけど」
「あっごめんね!」
「全然いいけど...知り合いじゃないの?」
知り合い...というか...
バリバリ知り合いなんだけど...
「知り合いだけど今は知り合いたくないんだよね...」
「??」
...てかなんで隠れたんだろう。
別に隠れる必要はないんだけど...なんとなく逃げたくなってしまった。
「なになに?元カレとか?」
「いやっ違う違う!ぜんっぜん違います!!」
「...ふーん?」
ニヤッと笑う大河。
「俺の勘的には、晴ちゃんはあの男のこと好...モゴモゴ!」
「うるさいうるさい!違うから!!」
大河の口を両手でふさいだ。
すると聞き慣れた声が聞こえた。
「...晴?」