「ありがとう晴ちゃん」
「こちらこそ。ありがとう」
あははとお互い笑い合った。
「一応このことは内緒ね」
「うん。分かった」
「ありがと!それじゃあ晴ちゃんの服見に行こっか」
そしてレディースのコーナーへ足を運んだ。
その時、衝撃的な光景が目に入ってきた。
「ねぇ、どっちが似合うと思う〜?」
「どっちも似合うよ」
「ちょっとなに〜!?適当すぎ!ちゃんと選んでよ和泉!」
心臓が激しく脈打つ。
息が苦しい。
見たくないのに、目がそらせなかった。
「先生...」
先生と女の人が2人仲良く服を選んでいた。
めちゃくちゃ綺麗な人だ。
モデルみたいにスラリとした長身で、顔立ちは女優さんのよう。
見たことないよ...あんなに綺麗な女の人。
「どしたの晴ちゃん?あのカップル知り合い?」
大河の言葉は耳に入ってこなかった。
なのに数メートル先の2人の会話が、不思議なくらいはっきり聞こえてきた。
「試着してこいよ花恋。俺そのへんで待ってるから」
「久々のデートなのに冷たい〜!ひどい!」
「ひどくないでーす」
女の人は試着室に入っていった。