入ったお店は服屋さんだった。
レディースからメンズまで幅広く揃っていて、お値段は学生には若干お高めだけど素敵な服がたくさん置いてある。
「...なんか、結局俺の希望のお店になっちゃったね」
苦笑いする鳴川くん。
そういえば鳴川くんは服が買いたいって言ってたっけ。
「いや全然大丈夫だよ!私でよかったら選ぶの手伝おっか?」
「おっ!マジ?ありがとう晴ちゃん!!」
「鳴川くんの好み分かんないけどね...あはは」
「晴ちゃんが選んでくれたのならなんでも着るよ!てか...」
鳴川くんが私の頭をぽふっ、と撫でた。
「大河、でいいよ」
あ......
この感じ...。
『...晴』
「......うん!分かった!」
先生のことを思い出してしまった。
きゅうぅぅと胸がしめつけられる。
...苦しい......。