「じゃあっ、とりあえずゲーセン!いこ!!」
「よっしゃあ〜!いこいこっ!晴のほしいやつとってあげる!!」
翠も楽しそうに笑って私の手を引いた。
「何を言う。俺がとってやるのだ。なんでも欲しいものを言うがいい」
「えっ、つーか柚ちゃんてゲーセン行ったことあんの?」
「バカにするな。柚ちゃんと呼ぶな。喋るな」
「ひっど!!言い過ぎだしめっちゃ傷つくー!」
「あははは!ナイス柚いけいけ〜!!」
みんなはしゃいで私のことを元気づけようとしてくれているのが、なんとなく伝わる。
優しいな...みんな。
「てか人混みマジやばいね!晴、しっかり掴まってね!」
「うっ...うん!」
「よし!柚ちゃんも俺に掴まれ!!」
「お前の耳を掴んでいいか?」
「やだよ!痛いよ!」
「...くすくす」
気分転換...なんて言ったらみんなに失礼だけど、気分が明るくなる。
活気の溢れる街並みの賑やかさが、今の私にはとても心地よかった。
これなら先生のことも考えずにいられる気がする...。