「ほい。もう忘れるなよ」

「...ありがとうございます」


携帯を渡されペコリと頭を下げる。


「じゃあ...さようなら」

「はいさよーなら。またな」



先生...


さっきの女の人は誰?


気になる。


けど聞けない...よね。



塾を出ようと扉に手をかけたら「...なあ」と呼び止められた。


「はい?」

「あのさ。本当に気にしなくていいから」

「......告白のことですか?」

「ああ」




もしかして。


嫌な想像が頭をよぎる。





もう新しい彼女がいるから、私のことはどうでもいいってこと......?